クイズ王

そこに座っていたのは、悪魔だった。
「おい、お前の魂をもらいに来たぞ。
そのかわり、なんでも望みを三つかなえてやろう」


よし。ならばこうしよう。
今からクイズを出すから、正解してくれ。
「・・・よ・・・よし、いいだろう。俺の知性をなめるなよ」


では一問目。
「いちもんめ・・・?」
四国には、県が四つあります。
愛媛県香川県高知県。あと、ひとつは?
カッチ。カッチ。カッチ。


「・・・徳島」
ピンポンピンポン正解です!お見事!
「えへへ。だれでも知ってるだろ」悪魔、ちょっと得意げ。
「さあ、つぎの望みはなんだ?」


では、二問目も正解していただきます。
「・・・え?またクイズかよ!!」


縄文時代には、縄目の文様で知られる「縄文式土器」が作られました。
では、弥生時代の土器は何というでしょう?
カッチ。カッチ。カッチ。


「・・・弥生式土器
ピンポンピンポン!また正解です!!あと一問!
「おい!三つともクイズかよ!!」


三問目。カントとヘーゲルの思想体系の違いを、端的に述べよ。
「・・・へ・・・?なんだと・・・?」
カントとヘーゲルの思想体系の違いを、端的に述べよ。
カッチ。カッチ。カッチ。


「・・・」
どうしました?
「・・・知らんがな・・・」
ブー。悪魔さんは正解できませんでした。さようなら。
「ちくしょう・・・おぼえてろ。次はしっかり勉強してくるからな」


このあと私は、さまざまな悪魔の挑戦を受け、そして退けたのであった。
今、地獄で悪魔達は、雑学の収集に余念が無いという。


いいことではないか。