2007-01-01から1年間の記事一覧

オカルト的ダイエットのすすめ

ダイエットを兼ねて、心霊スポットを訪れる。 とある町外れの廃病院だ。 家を出る前に体重と体脂肪を計測。昼前なので、正しい数値とはいえないが、 なんらかの目安にはなる。 昨日ウォーキングをさぼったので、少し体脂肪が増えているようだ。 最寄の駅から…

マッチポンプ

*毎日毎日、街中では休み無く往来が続いている。 朝から晩まで、えらい数の人たちが歩き回っている。 あの運動から、なんらかのエネルギーが得られないか。 パチンコ屋はすごい。 年中休み無く、ぎっしりと詰まった人々の勝負にそそぐパワーが満ちている。 …

さよならじいちゃん

寝床にふせっていたじいちゃんが、いよいよあぶない。 そう聞いて帰省してみたら、じいちゃんの枕元に黒い人が座っていた。 死神だろうと思った。 じいちゃんを見下ろすその憂鬱な顔を見ていたら、いたたまれなくなってきて、 鞄からプラスチックの下敷きを…

連鎖反応

金持ちの家に押し入り、主人にナイフを突きつけ、 「一番高価なものを出せ」 と言ったら、骨董品らしいランプを差し出した。 こすってみると、煙とともに魔人が現れた。 魔人に 「金目のものを出せ」 と要求してみた。 すると魔人は主人にナイフを突きつけ、…

絶望

明日世界が終わるという。 おおあわてで秘蔵の魔法のランプをこすり、 出てきた魔人に 「世界を存続させてくれ」 とお願いした。そしたら、 「いやあ、それは無理ッスよ・・・」 と言われた。

恩返し

モヤモヤした気分だったので、 死霊を棒で叩いていぢめていた。 そこへ通りがかったやさしそうな紳士が、 「これこれ。いぢめちゃいかん」 と言って、死霊を助けた。 死霊は、 「お礼によいところへ案内いたしましょう」 と言って、紳士を背中に乗せて連れ去…

あいまいな希望

森の中で、ちいさな洞窟をみつけた。 入ってみた。 どんどん奥へ行くにつれ、せまくなる。 体がはまって動けなくなったとき、 だれかが石で退路をうめてしまった。 もう出られない。 でも、そのうちなんとかなるだろう。ー完ー

強引な展開

森の中で、ちいさな洞窟をみつけた。 入ってみた。 どんどん奥へ行くにつれ、せまくなる。 体がはまって動けなくなったとき、 だれかが石で退路をうめてしまった。 もう出られない。 力まかせに立ち上がったら、洞窟全体が崩壊した。 ー完ー

あいまいなラッキー

森の中で、ちいさな洞窟をみつけた。 入ってみた。 どんどん奥へ行くにつれ、せまくなる。 体がはまって動けなくなったとき、 だれかが石で退路をうめてしまった。 もう出られない。 そう思っていたけど、なんとなく脱出できた。 ー完ー

不幸中のちいさな幸い

森の中で、ちいさな洞窟をみつけた。 入ってみた。 どんどん奥へ行くにつれ、せまくなる。 体がはまって動けなくなったとき、 だれかが石で退路をうめてしまった。 もう出られない。 しかし、ゲームボーイを持ってきておいてよかった。 しばらく気がまぎれる…

絶望

森の中で、ちいさな洞窟をみつけた。 入ってみた。 どんどん奥へ行くにつれ、せまくなる。 体がはまって動けなくなったとき、 だれかが石で退路をうめてしまった。 もう出られない。 携帯がつながるようだ。よかった。 でも、ここがどこか分からない。 ー完ー

私的静岡

東京に住んではいるが、周辺の県のことはよく知らない。 まだ千葉、神奈川、埼玉あたりはリアルに存在する土地として受け止めて いるものの、茨城や栃木、群馬などは空想上の地名のようにしか聞こえない。 静岡なんかは、新幹線の窓からだけ見える、バーチャ…

四次元日記

この世界の構成物には大きく分けてふたつのものがある。 ひとつは「空間」であり、もうひとつは「時間」なわけです。 感情その他主観的な知覚が中心となって、それら全てを自ら構成し、 経験するわけですね。 外的世界は、ひるがえってそのまま内的宇宙とも…

リカちゃん戦隊

わっはっは。私は悪の総司令官だ。 この作戦がうまくいけば、全世界を恐怖のどんぞこに陥れることが出来るのだ。 プルルルルル。あ。電話。 「そうはさせないわ!!」 ・・・だ、だれだ? 「赤リカちゃん!」 「青リカちゃん!」 「黄リカちゃん!」 「ミド…

これで最後か

橋の欄干にもたれ、ぼうっとしている。 あの変な人形のために、生活がめちゃくちゃだ。 これは立派に「呪い」だ。 ああ、ゆうべも「ねむくないリカちゃん」の話術に魅了されっぱなしで、 全然眠れなかった。 あ、ブルブルって。リカちゃんから電話だろう。 …

おもしろいリカちゃん

通夜の席。 妻の親戚や家族と、目の回るような忙しさ。 妻の友人や学生時代の恩師が訪れては、目を真っ赤にしてお悔やみを言う。 早かった。まだ人生を終えるには、早過ぎた。 ブルブル。ブルブル。携帯が鳴る。 電話に出ると、あの声だ。 「もしもし、わた…

つまんないリカちゃん

ある雨の夜。 新婚の妻が事故に遭って危篤状態だという報せが、病院から入った。 悲愴な気持ちで身支度もそこそこに飛び出すと、また電話。 なんてことだ。急いでいるのに、今度は何だ。 「もしもし。あたし、つまんないリカちゃん」 ・・・え??? 「いま…

雪の山頂で。

急死した助手を埋めておいたら、あくる朝には寝床の隣りに並べて置いてあった。 おかしいと思い、埋めなおしたが、結果は同じ。 何度やっても、朝になると助手の死体が置いてある。 眠るからいけないんだ、と思って徹夜を試みたが、居眠りしたすきにまた、 …

謎の部屋

「不動産屋に案内してもらった部屋は、どうもおかしかったんです。 入ってみた感じ、間取り図と合わない。 「この壁の向こうにもうひと部屋あったんじゃないですか?」 と聞いてみたんですよ。 「いや、そんなはずは・・・。でも、たしかに変ですね」 不動産…

夜更けの訪問者

「おとうさん怖いよ」 息子が震える。 「このおじさん、こわいおばさんを背負っているんだもの」 戸口に立った男がぐったりと肩を落としたので、 男が背負っている怖い顔のおばさんに事情を聞いてみた。 すると、さっき殺されたのだという。 「この男にか」…

うわさの電車

深夜。住宅地のはずれ。 人っ子一人通らないこの辺りは、昼間でも気味が悪い。 ちいさな踏切が、ぼうっと淡い光で浮かび上がっている。 これを越えると、向こうが我が家だ。 近づいたとたん、警報機が鳴り出した。 どきっとする。もう終電はとっくに終わって…

電話のリカちゃん

玄関先から、リカちゃんが電話をかけてくる。 「わたしリカちゃん。いま、あなたのおうちの前にいるの」 どの入り口だろう? 正門についたモニタには映っていないから、朱雀門の方だろうか。 じいやに見に行ってもらったが、だれも居なかったそうだ。 北側に…

鎌男のはなし

ベッドの下に、鎌を持った男がひそんでいる。 コンビニへ行こうとしたら、のそのそ這い出してきて、背中に乗れと言う。 鎌男にまたがってコンビニへ。 買い物をすませ、また鎌男にまたがって帰ってくる。 ベッドの下へキューリを一本やる。 これがきっかけで…

ばあさんにまつわる怖くない話

ちょっと怖くない話をしましょう。 夜中、電話がかかってきたんです。入院中のばあさんから。 その後病院から電話があって、ばあさん亡くなったと。 じゃ、あの電話は??? 先生によると、ばあさんは電話を切ったと同時に亡くなったんだろうということ。 わ…