怪事件

裏のはたけで、ポチが鳴く。
「ここ掘れ、ワンワン」


正直じいさんは、その場所をクワで掘ってみた。
すると、どうだ。大判、小判がぎっしり入った壷が出てきたではないか。
おじいさんは、大喜び。


「もっと掘れ、ワンワン」
またポチが鳴く。
「ああ、もっと深くかね」
おじいさんは、さらに深く掘り進む。


夕方になり、おじいさんが隠れてしまうほど穴が深くなったとき、
ポチは後足で土をかけて、おじいさんを埋めてしまった。


となりのおじいさんが、野良仕事から帰ってくる。
小判の壷と、ポチを見る。
家に明かりはなく、正直じいさんの姿もない。
とりあえず、ポチと壷を引き取って帰った。


このじいさんも、正直者。
次の日、ポチが鳴くので、自分ちのはたけを掘ってみた。
大判、小判が、ざっくざく。
「もっと掘れ、ワンワン」
またこのおじいさんも埋めるポチ。


さらにとなりのおじいさんが、帰ってくる。
小判の壷とポチを見る・・・


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