おもしろいリカちゃん

通夜の席。
妻の親戚や家族と、目の回るような忙しさ。
妻の友人や学生時代の恩師が訪れては、目を真っ赤にしてお悔やみを言う。
早かった。まだ人生を終えるには、早過ぎた。


ブルブル。ブルブル。携帯が鳴る。


電話に出ると、あの声だ。
「もしもし、わたし、おもしろいリカちゃん」


・・・なんだと!?


振り返ると、すっごく妙ちきりんな人形が。
どこが、という形容は難しいのだが、とってもポイントを掴んでくる顔を
しているのだ。
ぷぷぷ。
これから坊さんの読経が始まるというのに。ついて来るなよ。
来るなってばもう。