これで最後か
橋の欄干にもたれ、ぼうっとしている。
あの変な人形のために、生活がめちゃくちゃだ。
これは立派に「呪い」だ。
ああ、ゆうべも「ねむくないリカちゃん」の話術に魅了されっぱなしで、
全然眠れなかった。
あ、ブルブルって。リカちゃんから電話だろう。
「もしもし、あたし・・・」
どうしたわけか、電話に出た瞬間、眠気が吹き飛んだ。
怒りが沸き上がり、振り向きざまにまわし蹴りを人形にたたき込んだ。
ふっとび、川の中へと消える人形。
俺は、勝ったのか? これが最後か?
「ふふふ。あたし、あついあついリカちゃん。バイオレンスがすきなの」
そんな声が、携帯から聞こえてきた。