オカルト的ダイエットのすすめ

ダイエットを兼ねて、心霊スポットを訪れる。
とある町外れの廃病院だ。
家を出る前に体重と体脂肪を計測。昼前なので、正しい数値とはいえないが、
なんらかの目安にはなる。
昨日ウォーキングをさぼったので、少し体脂肪が増えているようだ。


最寄の駅からスポットまでは遠いが、バスはやめて徒歩で行くことにした。
昼ごはんの定食が、どう見積もっても1000kgカロリーを超えていると思われたためだ。
30分間歩きつづけてようやくエネルギーを燃焼する酵素が働きだすので、
小1時間でも歩くのはダイエットにいい。


目的地に到着。そして、持参の体脂肪計で数値を計測。
あまり減っていない。途中で水を飲んだのもあるだろう。
さっそく病院内を探索。
ただならぬ空気に、いやな汗をかきはじめる。
汗をかきすぎると体温を奪うので、ダイエットには逆効果だ。
酵素が最もはたらく体温をキープするのがのぞましい。上着を一枚脱ぐ。


歩き回っているうち、小腹がすいてきた。
あまり無理な我慢をすると、次に食べた時に必要以上の脂肪分を体が貯めこんでしまう
おそれがある。
ここは持参したクラッカーを食べることにしよう。


日が暮れて、病院内が暗くなってきた。そして、夕食の時間でもある。
規則正しいリズムで食事を摂る習慣が大切なのだ。
朝は軽く済ませ、昼には炭水化物系を、夜にはたんぱく質と野菜を摂るのが望ましい。
一日ずっと炭水化物を摂らないでいると、野菜や肉類からでも炭水化物系の酵素
体が捻出してしまうので、運動量の多い昼に炭水化物を摂っておくのが賢いやり方なの
だそうな。


持参のサラダとシーチキンを混ぜて食べる。診察台がちょうど食卓代わりにいい高さだ。
食べていると、背後に何かの気配を感じた。


・・・やばい。これは、人じゃない。そう脳のどこかで察知したのだ。
まて。パニックになるな。
脳の働きを助けるため、チョコレートで糖分を補給する。
思わぬデザートとなった。


一刻も早くここを退散しよう。そう決めて、早足で出口へ向かう。走ってはいけない。
無酸素運動は脂肪を燃焼しないのだ。
普通に歩くより、少し早めの速度で、両手を振って歩くのが好ましい。
競歩のスタイルで、廃病院を後にする。


駅に着いて、人いきれと明かりの下でほっとすると、体脂肪の数値が気になるものだ。
測ってみると、大幅に減っている。そして、筋肉量も増えている。
ああ来てよかった。これは大きな収穫といえるだろう。
だから心霊スポットめぐりはやめられない。