2008-02-27 忍び、危機一髪 天井裏から、節穴越しに部屋を見下ろす。 あいつがここの藩主だな。 こちらに背を向け、どうやら晩酌の最中らしい。殺るなら今か。 ごそごそごそ、と誰かが這ってくる音。びっくりしてそちらを見る。 「あちらのご当主様からです」 ウエイターが、シャンパンのグラスの載った盆を差し出している。 節穴から覗くと、藩主がこちらにチラと流し目をおくり、軽くグラスを持ち上げて見せる。 そしてまた、プイと向こうを向いてしまった。 ・・・おい待て! 俺はそんなつもりで来たんじゃないぞ。 人気ブログランキングへ