空論

将軍が、ついたての前で言う。
「一休よ、これに描かれた虎を退治せよ」


一休は、とんちで返す。
「では将軍さま、こちらまでおびき出してください」


将軍は、負けず嫌いだ。
「なんでわしがやるのじゃ。おまえがやらんか」


一休も、言い返す。
「いいえ、将軍さまおねがいします」


それをずっと窓の外から見ていた虎が言う。


「うるさいんだよおまえら。両方まとめて食ってやるぞ」


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