完成と過程
おじいさんとおばあさんが、大きな桃を割ってみたところ、
中から元気な男の子が出てきました。
元気な男の子を割ってみたところ、犬が出てきました。
犬を割ってみたところ、サルが、そのサルを割ってみると、キジが出てきました。
キジを割ってみたところ、中からおおきな鬼が出てきました。
さあたいへん。
この鬼を割れば、荷車に積んだ宝物の山が出てきそうなのですが、
そう簡単には割れてくれなさそうです。
鬼は、金棒でおじいさんを割りました。
中からおおきな桃が出てきました。
つぎに、おばあさんを割りました。
こんどは、中からおじいさんとおばあさんが出てきました。
この桃を割れば、元気な男の子が出てきて、鬼退治をしてくれるでしょう。
でも、それを助けてくれる獣たちがいません。
「桃太郎」のストーリーが完成するまでには、
まだあと、いくつかの細胞分裂の過程が必要であると思われます。
おばあさんが桃を割ると、サルが出てきてしまいました。
せっかく物語の大枠が整ってきていたというのに、まったく残念です。